高齢者講習について、皆様ご存じですか?

【その1】経験に関係なく実車の運転があります
以前は見学での講習が認められておりましたが、現行の制度では「加齢に伴う身体機能の低下の影響を理解する」目的として”実車指導”が導入されております。
この実車指導、結論から申し上げますと運転が上手でなくとも講習を修了して運転免許の更新は可能です(スクールとしては身も蓋もないのですが)。
高齢者人口の増加に伴い、講習が簡素化され良い面もありますが肝心の運転へのフォローは十分と云えないのが現状です。
不安な顔を浮かべて講習を終える方を見て、歯がゆい思いをしたのが当スクールを立ち上げた理由でもあります。
誤解して頂きたくありませんが当スクールは安易に運転を促して儲けようということではありません。先に述べた通り練習をしなくても更新は可能です。
実車指導の内容は一時停止や信号の通過、右左折等基本的な運転内容で難解なものではありません。しかしながら正しく運転できていない方が多いのも事実です。
基本が出来ていないことは即ち事故のリスクが高まることになります。
今一度基本に立ち返り安全度の向上を図りましょう！

【その2】75歳以上の方は11種類の違反に注意！
令和4年5月より75歳以上の運転者へ向けた「運転技能検査」の制度が導入されました。
更新前3年間の運転歴に11類型の違反のある方が対象となります。
検査に合格をしないと高齢者講習の受講ができず、免許の更新が行えません。

【対象となる違反行為】
出典：警察庁HP
信号無視/通行区分違反/通行帯違反等/速度超過/横断等禁止違反/踏切不停止等・遮断踏切立入り/交差点右左折方法違反等/交差点安全進行義務違反等/横断歩行者等妨害等/安全運転義務違反/携帯電話使用等

逆走などの「通行区分違反」はもってのほかですが、例えば「速度違反」は、静かで出力の高い現在の車では気付いたら速度が出ていたり、「信号無視」は”歩車分離式”や”時差式”の信号機が増えており、うっかり他の人や車につられて進んでしまうケースもあります。
交通事故・違反の3大原因が「見落とし」「見誤り」そして「思い込み」です！
これらは不慣れな方はもとより、経験による「思い込み」でも起こり得ることなのです。

【その3】踏み違い事故は高齢者だけではない
高齢者の事故でよく取り上げられるものに「ペダルの踏み間違い」があります。
都内で起きた痛ましい死亡事故は記憶に新しいですが、踏み間違いの事故は意外なことに24歳以下の事故率が75歳以上を上回っています。
物損や軽傷で大事故に至らないこと、若者のクルマ離れを助長させないことが報じられない理由です。
対して高齢者はとっさにアクセルを戻せず、より一層アクセルを踏んでしまうことが大きな事故に繋がっています。
言い換えると程度の差こそあれ、反射神経やテクニックでは事故そのものを「予防」できていない事がお分かり頂けるかと思います。
重ねてですがひとたび踏み間違えてしまえば大きな事故になりかねません。
そうならないための「安全行動の習慣化」が事故予防のために重要なのです！